秋の七草のひとつ、桔梗。初夏から初秋にかけて咲く花ではありますが、その根を生薬として風邪や、葉や茎から出る白乳液を漆のかぶれの治療に用いたことから、秋の人々の暮らしに根付いていたように考えられています。
桔梗は、吉・更=「さらに吉」に通じるとして縁起が良く、人々に好まれ多くの家紋・寺紋に用いられてきました。京都では寺紋が桔梗の智積院さまをはじめ、蘆山寺、天得院(東福寺塔頭)などが名所として有名です。
桔梗のつぼみはまるで風船のように可愛らしく、英名でも"balloon flower"とよばれ、「初夏の風船」などと呼ばれることもあります。
「桔梗の花 咲く時ぽんと 言ひそうな」(加賀千代女)